コミュニケーションはスキル。個性や性格とは関係がない。
教わる機会がなかったから、できていない。それだけ。
本格的な学習をはじめる前に、大切なことをもう一度、復習しておきましょう。
私たちは無意識でいると、ある特定のやり方、自分の中で決まっているパターンで、他の人と関わろうとします。
つまり、自分のなかに「コミュニケーションの型」のようなものをもっているわけです。
たとえば、
誰とでも、ふつうに話せる、
初対面の人が苦手、
年上の男性と話すときに緊張する、
特定の相手に心が騒ぐ、
相手との関係性によって態度が変わる…
といったように、目の前の相手によって現れる型。
また、
世話好き・教え好き、
つい説教やアドバイスをしてしまう、
どんな話でもひたすら聞いている、
気づくと話の腰を折っている、
表現が感覚的で話があちこちに飛びがち、
常に理論的で話の結論を出さないと気が済まない…
といったように、個性や性格、資質や才能に見える型。
これらが細分化されたり、複合化されたり、組み合わされることによって現れる型。
ご自身や周りの人を見つめると、「もしかして、これ?」と、おわかりいただけると思います。
私たちは無意識でいると、自分のなかにある「コミュニケーションの型」を、そのまま繰り返します。
繰り返している、という自覚すらないかもしれません。
そして多くの場合、自分と他の人がそうやって関わるのは、それぞれが「そういう人間だから」だと思っています。
私たちそれぞれの自己表現やコミュニケーションの特徴、他の人との関わり方にはたしかに、こうした「傾向」が見られます。
それらが、個性や性格、コミュニケーション能力や適性の問題に見えることもあるでしょう。
しかし、実際のところ、コミュニケーションの土台となる部分は、適切な学習と練習によって、誰にでも身に付けられるものです。
それは、個性や性格、能力・適性の問題ではなく、スキルの問題です。
また、卓越したスキルが身についていなくても、大切な観点を意識するだけで、コミュニケーションの質は劇的に変わります。
単なるスキルが、個性や性格、能力・適性の問題にされているのは、私たちの多くが、今までに体系的な教育を受けていなかったからです。
適切に教われば誰にでもできることなのに、教わる機会がなかったから、できていない。
ただそれだけの話です。
このコースに取り組むときには、個性や性格、能力・適性という視点をひとまず脇に置く意識をもってみてください。
誰にでもできる、という感覚でいることで、楽しく、楽に学習を進めていくことができます。