コミュニケーションは、状況によって使い分けるもの。

どんなテーマか、どんな状況かによって、最適なコミュニケーションは異なる。


このセクションでは、プロジェクトという視点で、今取り組んでいるテーマや今置かれている状況を見て取る練習をご提案していきます。

なぜ、そうしたご提案をするのかというと、意図や目的があるかどうか、何かを作り出す必要があるかどうかで、適切なコミュニケーションの形が違うからです。

これは、お仕事の現場はもちろん、日常生活のなかでも通用する考え方です。



前職のSE時代は、ありとあらゆるプロジェクトの現場で、いろいろな人たちのコミュニケーションを見てきました。

今の仕事をはじめてからは、人生のあらゆる局面での人間関係、コミュニケーションの形を見てきました。


その経験を通して実感するのは、意図や目的があるかどうか、何かを作り出す必要があるかどうかをしっかり見極めていないために、必要のない混乱や遠回り、行き違いやすれ違いが起こる事例が本当に多い、ということでした。


具体的な事例を挙げてみますので、あなたご自身の体験をふり返りながら、ご覧ください。



まずは、話を聞いてほしかったのに…。


たとえば、ただ話を聞くだけで相手の気持ちが落ち着くような場面、相手から状況の報告を受けるような場面では、ひとまず、目的や意図を持ち出す必要はありません。

別の表現をすると、そうした場面、少なくとも相手の話を聞いている時間に限っては「なんのために」「なぜ」といった問いは必要ないのです。


にもかかわらず、結論や答えを導き出すような質問をたたみかけたり、相手の気持ちを分析したり、求められてもいないアドバイスをしたりすると、話している人はたいてい、心が折れてしまいます。


一度や二度なら、なんとかこらえるでしょう。

しかし、何度も何度も同じことをされたら、相手は、「この人は、自分の話を聞いてくれない人だ」と思うようになります。

そのうち、心を閉ざしてしまうかもしれません。


日常生活での小さな「がっかり」が積もりに積もった挙句、人間関係が破綻している事例もよく見かけます。

これは、職場の上司部下の関係、家族関係、パートナーシップでは、割とよくある現象ではないでしょうか?



自称・理論派の人は

「自分は、つい結論を出したがる人間だから」

「こういう性格だから仕方がない」

と言ったりします。


しかし、これは性格や個性の問題ではありません。

単なるコミュニケーションスキルの問題です。



話を聞いてもらうだけでは、何も変わらない。


一方で、アウトプットや結果を求められるような場面、何かを作ったり、決めたりする場面では、ひたすら傾聴していても、なんら進展はないでしょう。

相手は、話を聞いてもらって気持ちが楽になるかもしれませんが、今すべきことが進まない状況に変わりはありません。


やみくもに意見を出し合ったり、言いたいことを自由に言い合ったりしても、結果は同じです。


会社での「ちっとも結論が出ない会議」や、コミュニティや仲間うちでの「長い時間話しているのに、何にも決まっていないミーティング」は、このパターンの典型例です。

もしかしたら、家庭のなか、家族の間でも、似たような現象が起きているかもしれません。



意図や目的がある場合、成果物を作り出していく場面では、それに応じたコミュニケーションが必要です。

対話のスキルに加え、仕事のやり方に関する知識があると、コミュニケーションは根本から変わります。

こうしたアプローチは、お仕事やビジネスはもちろん、日常生活やプライベートな人間関係でも有効です。



軽い気持ちで試してみましょう。


あなたは、ここまでのお話がどのくらいピンときましたか?

身の回りの人間関係で、「そういえば…」と思い出した出来事はあったでしょうか?


先にお伝えしたように、私たちの多くは、コミュニケーションや仕事のやり方について、体系的な教育を受けていません。

そうした仕事につかない限り、日常的に訓練したり、練習する機会もありません。



見方を変えれば、今まで知らなかっただけなのですから、これから身につけていけば効果は確実に現れます。

コツをつかめば、日常のコミュニケーションはさらに快適に変わるでしょう。


同時に、仕事や、日常の家事・タスクも、サクサク片付くようになります。

結果として、あなたが本当に楽しめること・好きなことに時間を使えるようになります。



今までのレクチャー同様、どうかぜひ、今のあなたの毎日に照らし合わせながら、これからのお話を読み進めていってください。

すぐに使えるテクニック、簡単にできる「やり方」がたくさん見つかることと思います。




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