正しい知識と方法を身につければ、人間関係の悩みとは無縁。
問題の原因は、コミュニケーションと仕事のやり方。
セミナーなどに通って前向きに生きようとする人、スピリチュアルや精神世界、心理学、脳科学など、心の仕組みの深い部分を勉強してきた人から、
周囲の人と話が合わない、かみ合わない
という話を聞くことがあります。
特に、家族や職場の上司部下同僚、ふだんよく顔を合わせる人や古くからの友人など、ごくごく身近な人との会話がかみ合わない、という話が多いと感じています。
たしかに、人生を前向きに楽しく生きようとしている人とそうでない人では、話がかみ合わないこともあるでしょう。
五感で認識できない仕組みに目を向け、表層的な現象の奥を見ようとする人と、そうでない人も、対話の次元がかみ合わないのは理解ができます。
一方で、みなさんからの話を、隅々まで詳しく聞いてみると、話がかみ合わない原因は、意識の高さや精神性、心の成熟度の問題ではないと、思うことが多いです。
このレクチャーでは、今までにお伝えした大前提を踏まえて、人間関係を幸せに変えるためのポイントをお話します。
本当の原因は、そこではない。
連続クラスやセミナー、ワークショップで、いろいろな人から人間関係の課題や悩みを聞いていますと、一見、意識の高さや精神性、心の成熟度の違いで、そうした現象が起きているように思えます。
ところが、実際に起きている出来事やその背景、そのときの対話などを詳しく聞いていくと、多くの場合、本当の原因は別にあります。
周囲の人と話がかみ合わない本当の原因は、その場に応じた適切なコミュニケーションができていないことです。
お仕事の現場では、根本的な仕事のやり方を知らないこと・お互いに仕事のやり方を共有できていないことも、話がかみ合わない原因になります。
その両方が原因になっていることもよくあります。
実際のところ、みなさんの話を聞いてみると、「その言い方じゃ伝わらないよね」と思うことが本当に多いのです。
本人に悪気はないけれど、結果的に、わざわざ誤解を生むような対話になっている事例もよくあります。
他にも、
- 本当に伝えるべきことを伝えていない一方、伝える必要のないことを何度も何度も伝えている事例
- 一方的に我慢したり諦めたりして、必要なことも含めて何も言わないでいる事例
- 相手に望んでいることがあるのに、明確に伝えることなく、様子見を続けている事例
- 相手と対話しないと解決しない事例を、自分一人で抱え込み行きづまっている事例
- そもそも仕事のやり方や進め方がわからないために、どんなコミュニケーションをとればいいかわからない状態になっている事例
をよく見かけます。
いずれにしても、直接の原因は、コミュニケーションと仕事のやり方の問題です。
コミュニケーションや仕事のやり方は、適切に学んで練習すれば、ある程度は身につけることができます。
才能や適性、個性の問題ではありません。
このコースの後半では、コミュニケーションや仕事のやり方について、仕事や日常生活ですぐに応用できる手法や考え方をご提案しています。
なぜなら、ふだんの社会生活では、やり方を改善するだけでうまくいく事例が本当に多いからです。
やり方レベルの話を精神論にするから、かえって面倒くさいことになる。
コミュニケーションや仕事のやり方を改善すれば済む問題を、精神論や心の問題にすると、本当の課題が見えなくなるうえに、ますます話がこじれます。
一人の社会人として、伝えるべきを伝え、聞くべきを聞き、お互いの対話のなかから必要なアクションを見出していく。
そうした日々の取り組みのなかに、本当の自分らしさや、才能・個性・適性が現れてきます。
それらは、本当の意味でのその人らしい「あり方」、「生き方」につながっていくでしょう。
才能・個性・適性の種は、もともと私たちのなかにあるものですが、それを社会生活で活かしていくためには、練習・実践・体験が必要です。
コミュニケーションと仕事のやり方について学ぶことは、自分らしい才能・個性・適性の種に気づき、育てていく過程を、力強く後押ししてくれます。
好きなことをして生きていくにも、コミュニケーションは必須。
一人一人の好みや価値観という次元では、好きなこと・得意なこと、嫌いなこと・苦手なことがあるとは思います。
自分の好きなことや得意なこと、適性のあることに集中して、それ以外は他の人の助けを借りる、というのは、至極まっとうな考え方です。
自分の苦手な分野を、
得意分野として喜んでやってくれる人がいる。
相手にとっては嫌でたまらないだろうけれど、
自分にとってはそれが喜び。
そうした関係性のなかで、お互いを応援しあいながら、それぞれがやりたいことをやって生きていけたら、本当に素晴らしいことだと思います。
一方で、お互いに相手を「素敵な人だ」と感じていても、相手の言うことがさっぱりわからない、自分の言い分がまったく伝わらない、というのでは、幸せな関係を築くことはできません。
自分の本当の気持ちを感じ取り、それを伝える。
相手の話を聞き、相手の本当の気持ちを感じ取る。
心を通わせながら、一つのことに取り組んでいく。
私たちが、本当にやりたいことをやりながら幸せに生きていくプロセスは、この繰り返しです。
仕事仲間やパートナー、家族や仲間、友人など、比較的長い時間を一緒に過ごす人が相手でも、ほんの一瞬、何かのご縁で関わる人が相手でも、プロセスの本質は変わりません。
そして、このプロセスは、具体的な練習と実践、体験によって、洗練され、進化していきます。
どんな生き方をしても、人間関係はなくならない。
私たちが、どんな生き方・どんなスタンスを選ぼうが、社会生活のなかで、他の人と関わりあいながら生きていくことに変わりはありません。
前向きに、未来に向かって生きていこうとする人も、そうでない人も。
見えない世界に心開いて、抽象的な視点で生きていこうとする人も、そうでない人も。
社会生活のなかで体験する人間関係の課題は、変わりません。
そこで役立つ知恵やスキルにも、変わりはありません。
このコースでお伝えする知恵と手法は、誰の、どんな人生にも役立てていただける、基本中の基本です。
人生の必須科目だと、私は考えています。
小学生が、その時点で、学校の勉強に何の意味があるのかはっきりわかっていないように、このコースをご覧の方のなかには、これからお話しすることに、どんな価値があるのか、ピンときていない方もいらっしゃることと思います。
だからこそ、オンライン「スクール」、教育という形で、みなさんにお届けしています。
教育という仕組みの優れた点は、知っているつもり・わかっているつもりの人にも、一通りの知識をお届けできることです。
すでに知っていること・どこかで学んだことを、もう一度別の切り口から知ることで、新たな発見があります。
すでに実践していること・できていることを、別の人間の視点を使って見つめ直すと、今まで気づいていなかった自分の一面に出会うことができるでしょう。
これからお伝えする内容は、種としてあなたの心に宿り、あなたの人生のなかで芽を出して育っていきます。
あなたの心で育った知恵とスキルという植物が、人生で役に立ったときはじめて、「こういうことか!」と理解できることでしょう。
●ワンポイントワーク●
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